2019年3月18日
シルバーとの出会い
主人から、シルバーのブレスレットを作って欲しいと言われるまでは、なんとなくシルバーは毛嫌いしていました。
個人的に、色が、自分の肌になんとなく合わないから。
シルバーというと、ガッチリとした男性的なイメージが強いから。
しかし、主人のブレスレットを作ってから、友人から同じようなものを作って欲しいという依頼が来るようになり、私もついにシルバーのジュエリーを作ることになりました。
作ってみると、真鍮よりもシルバーの方が扱いやすい。
ジュエリー制作にもっとも多く使われているのも納得です。
シンプルなラインで仕上げると、なんとも美しい金属だなぁと、我ながら出来上がりに満足しました。
その作品たちがこちらです。
シルバーの特徴とは
・放っておくと空気中で硫化して黒くなる。(硫黄の含まれたものに触れると黒くなる。)
・磨くとピカピカになる。
・値段が比較的安価なため、大ぶりなデザインが自由にできる。
・光沢が明り障子のように柔らかく独特の雰囲気。
シルバーは、真鍮と同じように、メンテナンスが必要です。
相手をしてやらないと、へそを曲げたように、どんどん曇っていきます。笑
しかし、磨いてあげると、元の美しさを取り戻します。
それが生き物のようで、とても愛らしいと、わたしは感じます。
そして、大きなポイントは ”明り障子のような美しさ ”です。
これは、わたしのバイブル、「彫金の技法」に書いてあったのですが、
なんとも繊細な表現に、またこの著者にやられてしまいました。
確かに、磨ききっていないシルバーは、少し曇ったような、ぼやけたような、やわらかい光沢なのです。
いつもシルバージュエリーを作るときは、なんとなくマット仕上げがしっくりくるので
そうしていましたが、やわらかい光沢とはこのことなんだなと、改めて確認しました。
茶の世界にも通ずるような表現にうっとり。
そして、改めてシルバーの色味の美しさにもうっとり。
今までは、ガッチリとしたイメージだったシルバーが、これでしっくりとくるようになりました。
やわらかい光沢が、わたし達の心を和ませてくれるような輝きが、自分の肌にも合うのでは。
見る度に、明かり障子を思い出すと同時に、日本人の心も思い出すように。
彫金作家としての幅を広げるためにも、シルバー毛嫌いはやめにします。
これからは、また新しい気持ちでシルバーと向き合って、その特徴を生かしたジュエリーを製作していこうと思います。
みなさんもぜひ、静かに眠っている、もしくは、へそを曲げているであろうシルバーアクセサリーを出して、メンテナンスをしてあげてはどうでしょうか。
お手入れをすることで、さらに、愛着も湧いてきます。
シルバーの魅力がみなさんに少しでも伝わっていたらとても嬉しいです。
彫金をしていると、ひとつひとつの作品を作る度、毎回が勉強です。
そこから学んだもの、発見したものを、自分の成長のためにも、みなさんに伝えていきたいと思います。
ジュエリーに関する豆知識、ヒントのような情報を「Tips」として記事を定期的にアップしていきます。
どうぞよろしくお願いします。
参考文献:「彫金-JWELRY MAKING-の技法」
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