2019年5月2日
今日は、地金について。
M-nomiでは、
主に真鍮、最近ではシルバー、K10(10金:約40%の金含有率)などの
地金をひとつずつ手作業で加工して、アクセサリーを製作しています。
チェーン、パーツなどには金メッキのものを使うこともありますが、
基本的に、メインのモチーフなどは、地金を使っています。
地金とは、いわゆる金属のかたまりで、
金メッキなどをかけていない、
素材そのままのもののことを言います。
なぜ、地金を使っているのか?
そのいくつかの理由を紹介します。
1. 味がある
メッキをかけたほうが、
黒くならないからお客様のためにメッキをかけている。
という作家さんもいます。
もちろん、肌に触れる場所や、チェーンなどは
メッキ加工の方がいいと思います。
実際に、M-nomiでも、そういう場所には、
メッキもしくは、シルバーK10を使用しています。
でも、やっぱり味があるのです。
特に真鍮。
使うごとに色が変化していく。
使い方やその人によっても変化の仕方が違ったりして、
とても愛らしい、生きているような素材です。
金属だけど、ピカピカとした金メッキではなく、
少し薄暗い、味がある方が何か魅かれます。
谷川潤一郎の「陰翳礼讃」にもあるように、
日本人に昔からある美的感覚なのでしょうか。
(だと嬉しい。)
2.長持ちする
あとは、当たり前ですが、
どれだけ使っても、メッキをかけていないので、メッキが剥がれない。
最近、使って1ヶ月もしないでメッキがほぼ剥がれたという指輪を
見せてくれた友人もいました。
最初はピカピカと輝いているのに、
そんなに早くに剥がれてしまっては残念です。
今は、K14GFという層が厚いメッキもありますが、
それでもメッキはメッキ。
いつかは剥がれます。
その時には、メッキをかけ直すという方法もあるけれど、
メッキを特注でかけ直すお金を払うなら、
新しいものを買う、というのが普通ではないでしょうか。
なので、長く使おうと思うと、
真鍮、シルバー、金などの地金がおすすめです。
そして、再利用もできます。
これは、まだ将来の夢(わたしの課題でもあります)なのですが、
地金を使ったリサイクル。
長く使えるもの。
これこそ、持続可能な、これから必要とされてくる方法ですよね。

左:製作中の磨きたての真鍮。右:普段つけている真鍮の指輪。
3.育てられる
長持ちするとも似ていますが、
地金は、メッキをかけていないので、
自分でメンテナンスができます。
真鍮や銀は、
空気に触れたり、水分に触れたりすることで
時間とともに、酸化をして色が曇っていきます。
K18, K10などももずっと放ったらかしにしておくと黒ずみます。
でも、磨いてあげれば、
またピカピカと輝きを戻します。
光りすぎが好みでなければ、軽く磨くだけでも。
こうして、時間の経過とともに
まるで生きているような金属を
たまにメンテナンスしてあげることで、
自分色に育てられるのです。
メンテナンスは、手間はかかりますが、
金属を磨くだけではなく、
丁寧にしてあげることで、癒し効果や、
気分までスッキリする効果があるような気もします。
(細かい部分や異素材が組み合わさった場所は難しいので、
M-nomiでは、メンテナンスのサービスも受け付けています。)
こちらからご覧ください。
金属というと、冷たいイメージですが、
使ううちに、柔らかい光に変わっていき、
肌に馴染んでいく感じが、
逆に温かみを感じる素材です。
自分の肌に触れ、時間の経過とともに、
自分の色に育てられる素材を
ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか?
M-nomiでは、アクセサリーの種類やそのパーツによって
メンテナンス、使用方法、価格、デザインなど、
いろんな面から検討して、
それぞれの場所にあった素材を使うようにしています。
これからも、真鍮、シルバー、K10、K18などの
素材のことを勉強していきながら、
みなさんが、育てることを楽しみ、
愛でることができるアクセサリーを作っていきたいと思います。
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